【お灸トーク】犬の、安眠|練馬の鍼灸院「桜みなみ鍼灸院」 中村橋駅から徒歩4分

桜みなみ鍼灸院

お灸TALK

【お灸トーク】犬の、安眠

犬は、良く寝ます。

老犬は特に良く寝ます。

体力が衰えて来ているので、ゆっくり寝てムダに動かず体力温存。

それが自然な行動です。

 

ところが・・・・人間もそうですが、犬も加齢とともに脳の萎縮や出血・梗塞などで変調が起こると、「認知症」様の症状が発生します。

昼夜逆転・夜鳴き・徘徊・一方向への旋回・怒りっぽさなどなど・・・。

 

昼はいくら起こしておいてもぐーぐー寝て、夜になると若い時以上に活動的に・・と言うか、長い時間動き続ける。転んでも起こられずバタバタもがくし、歩き回ってどこかにぶつかっても、方向転換できずに大声で吠え続けたりします。

飼い主さんも、消耗してしまう老犬介護。

中でも、寝ようとしてもどうにも寝付けない、または寝続けられない「睡眠障害」は深刻です。見守る飼い主さんも睡眠不足になり、長期間になれば、体調を崩してしまいます。

17才のシュナウザーのMちゃんも、そんな一頭。

調子が良いときは一時間、いやそれ以上寝ることもあります。でも、なにかがきっかけで、ちょっと横になったと思えば起き上がりたいとバタバタし、立たしてもらうとウサギが跳ねるようにぴょんぴょんトコトコと真っすぐ歩きます。歩き疲れると、と言うよりはある程度満足すると立ち止まり、ふたたび横にしてもらうのですが、そのまま寝ることよりは一分もしないうちにまた立ち上がりたい、とバタバタしだすことが多いのです。

特に、横倒しになっている時に、ぴーーんと突っ張った四肢が細かく緊張で震えるのをなんとかしてあげよう、と肉球にさわると、それが引き金になってすべての足がバタバタし始めてしまいます。興奮するので、肉球タッチは禁忌。

そんなMちゃんですが、温玉の勉強会に参加してくれました。

そして、よーーく観察していて分かったこと。

 

1肉球タッチがだめなのに、立ってしまうと安定する(体勢も心も)。

2歩く時間はずっとではなく、立ち止まっているときは微動だにしないことがある。

3立っている時、地面に接触している肉球から、もやもやと気の出入りがある。

どうやら、立つのは歩きたいだけではなく、しっかり肉球が地面に接触している、言い換えれば地面と繋がっているからのようです。それで安定している。

 

それなら、「その姿勢のまま寝る」のはどうだろう🌟

 

そして、発案したのがこちら。

名付けて、「スリーピングクッション作戦」

 

自然と立ち止まったところを見計らって、立っているお腹の下と、首の下に、邪魔にならず圧迫にもならないよう気をつけながら、クッションを詰め込み姿勢を保定します。そのまま、上手くすれば寝てくれます。首がゆっくりと脱力し、完全に寝たと思ったら、ゆーーーーーっくり姿勢を変えさせて、そのまま横倒しにします。

 

クッションは足の間に抱えさせたままです。

 

で、そのままだと上になった足(この場合は右前足・後ろ足)とクッションの圧が全部、下の足(この場合は左前足・後ろ足)と左腹部にかかってしまうので、クッション自体に脚をかませて、5センチほど地面から浮くようにします。

 

試しにやってみたMちゃんは、作戦成功でだいぶ長いこと落ち着いた状態で良く寝てくれました。

この、「足の裏が地面に繋がったまま立位で寝る」というやり方は、ウマや牛、象などでは当たり前な寝方です。犬が立ったまま寝るというのはあまり見たことがありませんが。。。 しかし、この姿勢での保定が、徘徊という認知行動に有効だとしたら、ずいぶん飼い主さんも当のワンちゃんも楽だと思われます。

 

ポイントは、気の出入り口である肉球がきっちり地面と繋がっていること。

 

 

ワンちゃんの、夜の徘徊などでお困りの方。

ちょっと試してみてはいかがでしょうか。

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